じざにっき

思考の整理と文章の練習。

アドベントリレー小説 1日目

25名で紡ぐリレー小説

(企画詳細→https://adventar.org/calendars/6460)

(1日目から一気に読める総集編記事→https://note.com/zizania/n/n5688391f057b)

 

1日目・作・じざにあ

 

 

『緋色のヒーロー』

 

 

「…から発達した…の影響で…東地方で…日未明より…年ぶりの…リスマスと…つづいてのニュー…」

 

ピロン。

 

スマホの通知で目を覚ました。寝惚け眼で正確な時刻がよく見えないが、仮眠に失敗したことは明らかだった。布団を頭まで被り、軽く絶望した。でも、

「でも、今日のバイトが終われば…!」

ひっそりとにやけた後、すっと起き上がり身支度を始めた。

 

「じゃあ、山下くんはこれを着てね。」

現場に着くと渡されたのはサンタの衣装。ドンキで買ったような安物なのだろうが、それにしてもひどく色落ちしている。なんと表現すればいいのだろう。小豆色?臙脂色?いずれにせよ今の自分にとても似合ってしまうのがなぜか悔しい。

でかすぎる帽子と髭で狭まっている視界で辺りを見渡す。ただでさえ目眩がするほどの電光掲示板の上にさらにイルミネーションが飾られている。渋谷のクリスマスはにぎやかで、騒がしくて、そして…毎年代わり映えがない。

俺は今年もこうしてティッシュを配りながら年越しを迎えるのだろう。真紅のドレスを身に纏った女性が歩いている。あの女性はこれからパーティーだろうか。

などと考えていると、その女性が俺の目の前で立ち止まった。

「ひろし…くん?」

「もしかして……ちひろ?」

 

 

つづき→

https://note.com/mahhomansso/n/n8c3ae54dfbba

(2021/12/02公開予定)